Private jetフライトアテンダントとして地球のあちこちを旅するMJのつれづれ日記。***すべての文章、画像の権利はMJにあり、無断転載を禁止します。***   お問い合わせはmaikojazz*excite.co.jpまで。


by maikojazz

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「職業、旅人」を名乗るくらいには旅に慣れている。そのことは、言葉ができることよりも先に、危険を回避すべくその地に合った行動ができる、という風にも置き換えられるかもしれない。周りから浮かずにその地を歩く。勘を働かせて、物騒なエリアには近づかない。一人でも行ける場所、男性と一緒なら行ける場所、現地の人とじゃないと行けない場所。


一応そうやって旅をしてきたからか、今までそんなに怖い目にあったことはない。(ちなみに私の外見が怖い、ということはないはず)ヒールを履いておしゃれに歩くのも、アクセサリーはつけずに、さらにはバッグを持たずにスーパーのビニール袋で歩くのも好きなので、危機管理には今までもこれからも十分に注意していようと思う。




イタリアのミラノからひとりで飛行機に乗り、ギリシャのアテネに行った。その前までいた治安の悪いローマ(というかヴァチカン)では雨の日に傘に隠れた子供のスリにバッグを触られそうになったり、地下鉄で「あなたたちスリでしょう」という連中を見つけて「わかってるよ」とこちらから睨みつけたりもしたので、ギリシャに行っても決して気を抜いてはいけない!と意気込み?を持ってアテネに到着し、空港と町なか(オモニア広場)を結ぶバスに乗った。





バスから降りてホテルまでは地下鉄で。一人だしスーツケースを持っているしで、襲われたらひとたまりもないだろうことを痛感しながらホテル最寄りの駅に到着。エスカレーターもエレベーターもない階段を前に、さあスーツケースを持ち上げて上ろうとしたとき。


「can I help you?」私よりも若い青年が、ひょいと荷物をあげて一緒に上ってくれた。口では「Thank you」と言いつつ、助かった〜という気持ちよりも「走って持って行かれたら終わりだな」という警戒の気持ちがいっぱい。そんな私に気づいてか、長い階段を無言で上り、地上に出たところでその青年はあっさり「Bye」と去っていった。


さて、ホテルはどの方角だろう。何をかくそう方向音痴な私には見当がつかない。しばらく迷ったけれど近くを通行したおじさんにホテルの名前を告げた。

英語を理解しない彼は、私に手招きをして近くのレストランへ。ギリシャ語で「この人、○○ホテルに行きたいみたい」と説明してくれているようだ。レストランのオーナーらしきおじさんは私をじろりと見て、にこりともせず私のスーツケースを持ち、暗闇を先導しようとした。

「いやいや、そっち暗いし!危ないでしょう〜」と思い足が止まった。するとおじさんは「大丈夫、こっちの道だから」というようなことを言ってジェスチャーで「ついてこい」と促し、また歩く。... 仕方ない、何かあったらすぐに逃げられるようにスニーカーを履いているし、貴重品は自分で持っているし、さあ逃げる準備は万端!と、警戒心丸出しで5m後を歩く私を彼は振り向き、無表情でさらに奥を指差した。その先の明かりには「○○ホテル」の大きな看板が...




「なんだ、ギリシャの人たち優しいんじゃない?」そう片隅で思いつつ、いや油断禁物!と否定するような体験をしながら数日後には船でエギナ島に行くことにした。


少し慣れた、アテネの地下鉄。朝のラッシュが終わった頃にピレウス港行きの電車に乗り込む。何しろ終点だから、迷うことはない。

(次回へ続きます)


*******あとがき**************
今年ももう終わりですね!おかげさまで「職業、旅人。」も2回目の年末を迎えました。
細々と続けていく予定ですので、来年もどうぞよろしくお願いいたします。
そして、、年をまたいで続き物を書いてしまい申し訳ないです。なかなか今は
長いものを一気に書く時間がありません。ご容赦ください。そして良いお年を!
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by maikojazz | 2009-12-30 16:35 | 旅先; 東ヨーロッパ
(前回からの続きです)

マカオで、香港に電話をかけながらお客様の希望通りインド料理をケータリングする先を見つけ、空港でも受け取りがうまくいって安心したのもつかの間... いざ離陸し、機内でサービスを始めるころになって私は何をどうサーブするべきなのか知らない!と気づいた(汗)。


銀色のアルミホイルやタッパーに入ったそれらをギャレイ台に並べながら、ううむどうしたものかと迷う。とりあえずカレーっぽい外見のものはレンジでチンしてみよう。パンみたいなナンみたいなのはオーブンで。感覚に任せて進めてみるものの、やっぱり何から始めて何をどうサーブするのが正しいのかわからない。仕方なく、一番ボスのポジションから遠くにいそうな、お手伝いさんっぽい男性に声をかけて打ち明けた。


「申し訳ないのですが教えてください、これらのインド料理をサーブするには何かこつはありますか?何からお出しするべきですか?どんなカトラリーをお持ちすればいいですか?」
すると男性は「全部一緒でいいよ」「それぞれに中くらいのお皿をくれたら私たちは自分でよそるから、料理は大皿でどんと出して」「適当にフォークと、各自の器によそるスプーンを」という感じのお返事。私はてっきり、各自のお皿にどうにかして美しくディスプレイしたものを順番にお出ししなければいけないかと...。


あらまぁ、結構適当なものなのですね... ちょっと拍子抜けしつつも安心して、温めた料理を大きな皿に盛る。Palak paneerは、ほうれんそうとチーズのカレー。

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Mushroom mutterはその名の通り、マッシュルームを生クリームなども入れてこってりと煮付けたようなカレー。

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Alooというのは、じゃがいものことらしい。ナンのようなパン状のものの中に、つぶしてスパイスで味付けしたじゃがいもを練り込んだもの。これをカレーやヨーグルトと一緒に食べるとのこと。



そこに生野菜をちょっとつけたようなピクルスをつけて、お出しして、とりあえずはお客様に満足いただけるようなサービスができたのかな?飲み物を出しながら「機内でインド料理をお出しするのは大変貴重な経験です」と微笑み、一応お客様も「大丈夫、大丈夫」と微笑んでくださったのでよしとしようか。






この後もそれぞれのフライト(デリーからMumbai- Chennai- Bangaloreなど)でお出しするメニューを秘書さんから伺い、宿泊ホテルで料理をすべて手配して問題なくtripが進んでいった。





デリーの喧噪も、

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ムンバイのビーチも、

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チェンナイの一こまも、

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あっという間にすぎてしまったけれど印象深い旅となった。Bangaloreでは夜中に到着してミニマムレスト(便と便の間に乗務員がホテルチェックインからアウトまで確保しなければいけない最短のインターバル... うちの会社は12時間)でまた次の旅へ... ヘトヘトになりながら、心は満たされるような。





友人Sによると、インドは「呼ばれないとたどり着けない場所」だという。初めてのインドに、私もきっと導かれてたどり着いたのだろう。あまりにも強烈な個性を持つインドの人々に辟易、と思っても気づくと恋しく思う。インドって不思議な場所だ。
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by maikojazz | 2009-12-22 10:32 | 旅先; 西アジア
航空会社の機内食とは違ってprivate jetでお出しする機内食には、決まった食事メニューがない。当然、チャーターするお客様の国の食文化や好みなどの情報を事前に得て、ほとんどの場合は私が決める。

Crewの食事は簡単だ。「今度のtripの○○発△△行きの便で食べたいものはある?希望があれば何日までに返信してね」と担当captainたちにメールし、その日までに返事がくればその通りに(だいたい彼らは"sandwich"や、"chicken w/ steamed rice"などのおおざっぱな返事をくれる)オーダーし、こなければ適当に頼んでしまう。あとは適当に3人のcrewが共通でつまめる野菜サラダやパン、スープなどを用意すればオッケー。しかし、お客様はそうはいかない。


(イメージ映像)
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あるtripでは北京〜マカオ〜香港を経由してインドの数カ所を回ることになり、crewはマカオに滞在、お客様を香港でpick upしてインドのデリーに入るというちょっと複雑なことになった。お客様はインド人、すべての機内食はインド料理をご所望。「インド料理」といわれても北から南まで色々あるし、詳しい料理名を下さい!と、私はお客様サイドの秘書さん?に連絡し、こんなリストをもらった。


Dinner:
Indian vegetarian meals
*Daal (Yellow)
*Palak Paneer
*Steamed Rice
*Low Fat Yogurt
*Mutter Mushroom


ここからが私の仕事の始まり。ネットで調べ、マカオから(船で1時間弱の距離でも、一応)国際電話をかけまくって香港にあるインド料理屋さんを探し、指定の日に空港に料理を届けてくれるか交渉する。「機内の冷蔵庫があまり大きくないから、まとめてタッパーに入れてほしい」という勝手なお願いにも応じてくれるシェフに出会えたことはラッキーだ。



出発当日。マカオからフェリーフライト(お客様を乗せずに飛行機と乗員だけ移動)で香港に到着し、あらかじめ話をつけておいた地上係員が無事にインドレストランのシェフから機内食を受け取ってくれたと聞いて、ひと安心。1時間ほどの準備を経て、いよいよお客様をお迎えする時間となった。
天気はいいし、苦労して準備したインド料理の機内食もばっちり手元にあるし、お客様は時間通りに搭乗して万事快調!大変だっただけに、うまくいくとテンションもあがってうきうき笑顔で地上サービス。そしてばたばたと、離陸の時間。


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窓から見える香港の高層ビルたち、そのうちに島々が見えて...


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シートベルトサインが消えて、気づいた。


...この料理たち、何からどうやって出したらいいの...?


(次回に続きます)
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by maikojazz | 2009-12-16 11:55 | 旅先; 西アジア
当然ながら、水着でビーチやプールサイドに寝転がる日々は永遠には続かない。羽田へ出発の2日前にはお仕事モードに戻り、ホテルの総料理長とカフェでミーティング。帰り便ではカレーをご所望のお客様に、総料理長のおすすめも聞きながら6種類ものモルディブカレーをオーダーした。
(そしてそれらは、今まで食べたカレーの中で一番美味しかった!)








Bandosの島を散歩した。いたるところで花が咲き、本当に心地よくて帰りたくない。風が気持ちよくて、みんなが笑顔で過ごす場所。

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何の幼木だろう、植え替えの準備がされていた。近くで掃除をしてくれていた従業員に木の名前を聞いたけれど、聞いたことのない名前で忘れてしまった(笑)。こうして彼らが植えてくれる木が大きくなって、私たちゲストがうつらうつらとする優しい木陰を与えてくれるのだ。

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Litaと一緒に、ビーチから近いこのバーで軽い昼食を取った。「そうそう、この下もスノーケリングして泳いだのよ、とってもきれいだった」と食後に下を覗いたら、小さな美しい魚の群れと一緒にまた小さなサメが水面近くを泳いでいた。

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あまり人の通らない裏手に迷い込んだ。従業員の寮のようなところを抜けて、キッズルームの裏に出たらなんとも柔らかい光が漏れる道が。Havaianasのサンダルをぺたぺたさせながら、ゆっくり歩く。ああ、素晴らしい初フライト、なんてぼんやり思いながら…。

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出発の朝。毎日すっぴんでパレオ姿だった私たちが再びぱりっと制服で現れると、顔なじみになったレストランのボーイさんたちが「Wow, look at you!」なんて笑って、「寂しくなるよ」なんてウインクする。8泊なんて本当にあっという間。さよならモルディブ、またいつの日か。
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by maikojazz | 2009-12-08 17:34 | 旅先; その他