Private jetフライトアテンダントとして地球のあちこちを旅するMJのつれづれ日記。***すべての文章、画像の権利はMJにあり、無断転載を禁止します。***   お問い合わせはmaikojazz*excite.co.jpまで。


by maikojazz
今年は妙に暖かくて、なかなか秋冬のおしゃれを楽しみたい気分にはなれないけれど、例年ならとっくに手袋(と、それをバッグに留めるホルダー)が活躍して良い季節だ。



初めて大人の?素敵な革手袋を買った、ある秋のことを思い出す。
Parisで先輩クルーに付いてお買い物をしていたら、「そういえば手袋を買いたいの。お店につきあってくれる?」と頼まれた。もちろんいいですよ、とぶらぶら歩いて行くと、そこは小さな通りにある瀟酒な構えのお店。"Gant Muriel"、Murielは女主人のお名前かな?




狭い店内にお客さんはお洒落なマダムが2人。すぐ私たちの番が来るかと思いきや、10分経過しても一人目のお客様は買い物を済ませる気配がない。先輩いわく「ここは納得いくまでお店の人と話して試して、そうやってみんな買うから時間がかかるのよ。でも、本当にぴったりのものをくれるからどうしても欲しくてね」とのこと。なんだかわくわく、私もぜひしっかり採寸?してもらって手袋が買いたくなった。





結局30分ほど待って先輩の番、そしてその後15分ほど後に私の番が巡ってきた。

女主人はまるでハリーポッターに出てくる魔法の杖やさん(オリバンダー)のよう。まず「手首がすっかり出るくらいに腕をまくって」、そして「このクッションに肘をついて私の方に手を見せてちょうだい」と。

まるでお医者さんが聴診器で検診をするかのように真剣なまなざしで手に触れながら、手の厚みや指の長さ、手首の太さなどを調べた後で「ちょっと待って」と席を立つ女主人。


木の棚からサイズが微妙に違う、希望の色身の手袋を出してくれる。私のリクエストは、黒か焦げ茶でカシミア100%の裏地が付いた、暖かいもの。

「そのまま肘を置いて指を伸ばして、手を開かずに」言われる通りに手を閉じて彼女の方に差し出すと、ひとつ選んだ手袋をうやうやしく私の手にかぶせる。指の間が少し浅い。チェックして女主人は「指がもう少し長い物を持ってくるわ」と再度、席を立つ。




先輩の話は本当で、O型の私が「ま、このくらいでいいんじゃないの〜」なんて思っても、彼女は妥協しない。「指を開いたり閉じたりしてみて」とか「手首を回してみて」と指示してくれながら、手袋のフィット感をしっかり確認して、更に合いそうなものを棚から出してくれる。すごい。


本当に合う手袋というのは、まるでもうひとつの皮膚のような気持ちになることをMurielの手袋で初めて知った。外側の柔らかく輝く革と、内側のカシミアがぴたっとくる、この感じ。年月と共にますますなじんで心地よい。




そうやって出会った手袋は、選び抜かれて私のもとに来てくれたという思い出と一緒に、今年も活躍してくれることだろう。


******お店の情報はこちらです******

Gant Muriel
4 Rue Saussaies 75008 Paris

マドレーヌ広場から行くと、Royale通りを右折し
Faubourg St. Honore通りに入り、Hermesなど
通過した後、五叉路が出てくるのでそこを右折。
そう遠くない右側にあります。
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# by maikojazz | 2010-11-10 17:07 | 旅先; 西ヨーロッパ

第百三十三回 流氷

Farnborough(London近郊)からVancouverへの9時間半の旅。お客様へのサービスを終え、クルーの食事を終え、フライトも後半になってからようやく着席。ふと窓の外を覗くと、白い斑点?そうっか、流氷だ!
スクリーンの地図を見るとどうやら、Greenland上空(正確にはちょっと南)を通っているみたい。小さい頃に、ビッケというちび海賊のアニメをテレビで見るのが好きだったな。あのアニメのタイトルは何だっただろう。。。なんて考えながら。

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Vancouver到着後。疲れているはずなのにベッドに入って4時間後、なぜか目が覚めたので、 Greenlandについて調べてみた。住民のいない地域、きっと寒すぎるのね...13世紀にはNorway、今はDenmarkの一部?大陸ではなく、世界最大の「島」として見なされていると。ほう。白熊モチーフのシンプルな紋章。



世界は温暖化で南極の氷も数分ごとに音を立ててガラガラと崩れているそう。私たちの子供がおじいちゃん、おばあちゃんになった頃に「流氷?あぁ、聞いた事がある。今ではそんなものなくなってしまったけど」なんて孫たちに話していたりしないように、今私たちができることをしなければ... と思うMJでした。
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# by maikojazz | 2010-10-27 10:36 | 旅先; 北米
Havaianas(ハワイアナス)は、ブラジルから世界に飛び出た草履型のサンダルだ。ブラジル国内では庶民の足、でも一歩国外に出るとセレブ御用達アイテムに早変わり。とある映画祭でノベルティとして配られたり、ハリウッドスターが履いている姿をパパラッチされたりして話題になっている。


私がHavaianasの存在を知ったのは、ELLEかVOGUEか、なんだかそんなファッション雑誌に特集されているのを見た6-7年前。そして偶然なことに当時働いていた航空会社のブラジル人同僚が、お土産にと小さな国旗が付いたブルーのをプレゼントしてくれたのが、記念すべき一足め。


日本ではセレクトショップUnited Arrowsが数年前に販売しはじめたのを皮切りに、今ではおしゃれに敏感なお店だけでなくスポーツ用品店なんかでも販売していたりする。

しかし。
日本では割高なのとアイテムの幅があまりないので、私はよく海外やネット販売でHavaianasを購入する。





Singaporeの目抜き通り、Orchard streetには"The all havaianas"という専門店がある。
(Marriott hotelの向かいにできたION Orchardに入っている)
ここでは日本にはない大きなサイズ(43-44, 45-46)なんかも少量だけど置いているので、大きな足の人には朗報。Singaporeには西洋人も多いので、全体的に洋服や靴のセレクションが幅広い。

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今私が家の中でスリッパ代わりに履いているこちらを購入したのは、香港のCauseway BayにあるTimes Squareというショッピングモールに入っている靴屋さん。珍しく、鼻緒の部分がエスニック調の模様に編まれたビーズでびっしり。目立たないけれど外側のはじにはロゴ入りのチャームもついていて、おしゃれ心をくすぐられる。

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2008年は日本人がブラジルに移民をして100周年という記念の年だった。その記念として発売されたのがこちら。
これは日本のネット販売で見つけ、急いで予約して購入したけれど、もったいなくてまだ履いていない。模様に、それぞれの国旗の色とモチーフが使われているのが分かる。多分、あまり売ってないレア品のような、気がするけれどどうなのかしら?

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ホノルルや、LAのサンタモニカで目抜き通りを歩くと必ずと言っていいほどHavaianasのサンダルが色鮮やかに飾られた店先に出会う。クロアチアのDubrovnikにも、アドリア海の明るい雰囲気の中でサッカークロアチア代表チームデザインのHavaianasを見つけたっけ。



2008年に仕事でブラジル数カ所を回った時も、友人たちのお土産の一部にHavaianasを購入。考えるとわりとHavaianas社に貢献しているな、私... (笑)







一番最近、お土産にと頂いたのがこちら。鼻緒の付け根にゴールドのチャームが付いているのが、ぐっと来る。ナイスチョイス!

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まだ数足、足を通した事さえもないHavaianasが靴箱のなかでひっそり出番を待っている。
さて、日本の夏は終わってしまったので... どこかのリゾートで使いたいな。
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# by maikojazz | 2010-09-20 12:16 | 旅先; その他
南仏ニースからはるばる電車で、イタリアのミラノに移動する日。
Hotel Les cigalesのご主人と奥様にお礼を言い、再びNice駅へ向かう。SNCFのサロン(JRでいうところのびゅう、でももっとソファとかがあってコーヒーの出ないスターバックスのような場所)で前もって買っておいたチケットがあるので、遅れないように急ぎ足でプラットフォームへ。良かった、まだ出発3分前。



コンパートメントの番号を探して、先に来ていたマダムに「Bonjour」とご挨拶。重いスーツケースをマダムに手伝ってもらって頭上の棚に載せ、膝には「Harry Potter and the order of Phoenix」とミネラルウォーターのボトル。出発時間を過ぎた頃にもう一人、だいぶ年配の女性がやってきて3人が座るコンパートメントはなんとなくおしゃべりが弾みそうな雰囲気に...


結局、その電車は予定より10分ほど遅れて発車した上に、車内放送は(当然といえば当然なのだけど)早口のフランス語とイタリア語だったので、終点ミラノへは何時に着くのか見当が付かない。さっそくお隣のマダムに「すみません、あまりフランス語が得意じゃないんだけど何時にミラノに着くって言ってました?」と聞いてみた。「17時40分ですって」... チケットに書かれた時刻は17:15だった。ま、急いでいる訳じゃないからいいか。


「...それ、 面白いの?」私の読んでいたハリーポッターの本を指してマダムが聞いたことがきっかけで、なんとなく私たち3人は(思った通り)おしゃべりを始めた。「そうですね、子供向けの本と言われているけれど大人でも十分に面白いと思います」すると年配のほうのご婦人が「私の孫たちが夢中で読んでいるよ」と笑う。「ところであなたはなに人?」「日本人です」

... そうしてしばらくおしゃべりが続く。フランス語で返すには難しすぎる複雑な文化(なんと、乳母捨て山について!)の質問までされて、英語で返したけどちょっと通じてなかったかな...





フランスから一度モナコに入り、イタリアの国境を超えて最初の駅、Ventimigliaに着いた。
ここで電車のクルーが変わったのか、何か手続きがあったのか10分ほど停車。車内販売のおばちゃんはイタリア語(当然か)。「カプチーノをひとつ下さい」「Si」と、私も慣れないイタリア語で会話してみる。

ちょっとうとうとしたり、目覚めておしゃべりしたり、本を読んだりして時間はゆっくり過ぎていく。このゆったり感は飛行機では味わえない。疲れるけれど優しい気持ちになれるような。


Genovaの駅でもまたゆっくり15分ほどの停車。何人かの乗客が電車を降りてゆったり外で誰かと話している。あれ?降りる訳じゃなくてただの休憩?
Genovaと言えばナカタ(サッカーの、元選手)だなあとぼんやり思ってみて、マダムたちに聞いてみるけれど残念ながら誰もサッカーに詳しくなく、知っている人はいなかった。

NiceからGenovaまではずっと海沿いを走るので、車窓からはきらきら輝く海と飛び交うカモメなんかが見えていた。しかしGenovaからMilanoは、大きな街と街の間にあるのどかな田舎町ばかりが見える。



Niceから5時間半以上かかってMilanoに到着すると、もう夜だった。私が探せなかっただけなのか、駅は大きいのにエスカレーターなど一切なく、重いスーツケースを引きずって階段を登り降り。やっとこ外に出て、駅前のタクシーを拾ってホテルへ。






(ここまで書くのに1ヶ月かけてしまった私... 次回はもう少し間を空けずに更新できますように。。)
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# by maikojazz | 2010-08-23 13:08 | 旅先; 西ヨーロッパ
(前回からの続きです)

そうやって到着したニース。2泊の間に色々な所にお散歩をした。


Promenade des Anglaisから旧市街に入り、迷路のようにくねくねした路地(ひさしをつけているせいもあり、薄暗い)を歩く。南仏らしい陶器の黄色やグリーン、ブルーが可愛いお店。南仏のトレードマーク?のせみ模様バッグやふきんが並んでいる。

オリーブの量り売り、オリーブの形をしたチョコレート、マルセイユの石けん。所狭しと並ぶ店先には、観光客も地元の人々もお買い物に来てあれこれ品定め。



サラヤ広場に出る。
店じまいを始めた花市場の脇に、パリに行ったら朝昼晩問わずに毎回のように足を運ぶベーカリー兼カフェ「Le Pain Quotudien」を見つけた。ここではサラダを頼むとおかわり自由でパンが付いてくる上に、朝食の時間帯は数種類のジャムが自由に楽しめる。色の薄い木目のカントリー風店内にはパンとコーヒーと、ほのかな木の香りが漂っていて、それがとても落ち着く。

ここでカフェクレームとケーキを食べて、エナジー補給完了。この日はシャガール美術館に行きたいと思っていたので、ホテルで教えてもらったバスに乗って丘の上の美術館へ。




運転手さんにフランス語で「すみません、シャガール美術館に行きたいので降りる場所を教えて頂けますか」と頼み、後ろの方の席へ。窓から街を眺め、歩く人々を眺める。20分ほど乗って「こんなとこで迷ったらもう帰れないかも」と心配になるくらい街から外れたあたりでようやく運転手さんが「マドモアゼル、ここだよ」と知らせてくれた。ほ。

多分こっち、と見当をつけ、すれ違う人に「シャガール美術館はどちらですか?」と聞きながら美術館に到着。ここはシャガールが旧約聖書のイメージをいくつも絵画に残し、聖堂のステンドグラスとグランドピアノの蓋の裏側(つまり、蓋を開けた時に少しだけ見える場所)も手がけた、唯一無二の美術館だ。良く手入れされた庭にはオリーブの木が生えていて、太陽と風をたくさん受けて輝く姿が印象的な美術館。


じっくり1時間半以上を費やしてシャガールに浸る。ああ、もっとしっかり聖書の内容を知っていたらきっともっと違うものが受け取れるのに!ヨーロッパの宗教画を見るたびいつも思う。




すぐ近くにマティス美術館もあったので行こうと思いつつ、ぐったり疲れて今回はパス。
ホテルで教えてもらった町なかの旅行代理店で、次の日に移動するミラノまでの電車のチケットを受け取って、シンプルにパンとチーズ、少しのワインで夕食。ホテルの部屋で食べるのは少し味気ないので、浜辺で海を見ながら。寂しさと、自由さを味わいながら帰り道には葉書をたくさん買った。心の中にいる家族や友人たちを思ったら、ちょっと寂しくはなくなる。
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# by maikojazz | 2010-07-19 15:35 | 旅先; 西ヨーロッパ