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Private jetフライトアテンダントとして地球のあちこちを旅するMJのつれづれ日記。***すべての文章、画像の権利はMJにあり、無断転載を禁止します。***   お問い合わせはmaikojazz*excite.co.jpまで。


by maikojazz

第七十四回 Strasbourg, France -1-

思いつきでパッと出かける旅が好きなのか、もともとの性なのか。
ある時コンビ二で目にした雑誌に、「パリから行く田舎町」という特集があった。パリにはしょっちゅう仕事で行ってるけれど、そういえば田舎町って惹かれる... そう思ってその雑誌を購入、帰りの電車の中で読み始めた。

その当時は都心から遠くに住んでいたので、家までは電車で50分ほどだっただろうか。どういうわけかその50分で私は「よし、田舎町に行こう」と決心してしまった。ちょうど次のNYフライトの後には6日間のお休みがある。
帰宅してすぐに旅行代理店に電話し、パリ経由ストラスブール行きの格安航空券を購入。雑誌に載っていたホテルにもファックスを送る。つたないフランス語で「シャワー付のシングル」とリクエスト。すぐに返事が来て、あっさりオーケー。というわけで、NYから戻った次の日から私はストラスブールに出かけることになった。その雑誌に載っている情報以外は何も知らない町。4日間のフライトから戻ったらすぐにここに行くんだな~と、うきうきして雑誌を眺めながら眠った。



パリで飛行機を乗り継いでストラスブール空港に着いたのはもう夜だった。フランスの東端、ドイツとの国境にある美しいはずの町。空港の前でタクシーに乗り込み、ホテルの名前と住所を告げる。遅くなったけど、とチェックイン。ホテルのご主人が優しく迎えてくれて、「今日はもう遅いから明日から色々観たらいいよ」とガイドマップをくれた。暗くて分からない、観光シーズンを外れていたので静かな町並み。石畳のでこぼこがとても印象的。期待と疲労と不安とがごちゃまぜになったような気持ちで、ベッドにもぐり、その夜はぐっすり。


次の日の朝。ホテルで出される簡単な食事(パン数種類と飲み物、クッキー程度)を済ませ、街に出る。
ストラスブールはわりとコンパクトな町なので、歩いて一周できてしまうような雰囲気だ。まずはカテドラル(大聖堂)を観て、ゆっくりその辺りのお店をひやかしに。ここはクリスマスオーナメントとフォアグラが名産とのこと。残念ながら脂の多い食べ物は受け付けないMJなので、フォアグラは軽く観ただけでふうんと素通り。家族や友人にはオーナメントを買わなきゃ!とうきうき物色するものの、いや待てよ、まだ2日目だからお土産はもっと後で買うべき、と思い直す。


結局そこでハガキだけを買って、更に歩くと広場に出た。
地図を広げるのはいかにも観光客で恥ずかしい。どうせ時間はあるんだからと、かっこつけてすたすた歩いてみた。(見栄っ張りMJ) そこで出会った美味しそうなブーランジェリーで、サーモンとほうれん草のキッシュを買い、スーパーでBadoit(お気に入りの発泡水)を買い、広場に腰掛けて食べながらようやく地図を開く。本当はどこがどこだか分からなかった私も、なんとなく理解ができてほっとしたものだ。


(次回に続く)
by maikojazz | 2009-05-26 09:59 | 旅先; 西ヨーロッパ