第十六回 Buenos Airesで 前編
2008年 10月 14日
「アルゼンチンに行くことになりました。」
そうお知らせした時、前の会社の先輩が「じゃあ、辞めてそっちに行った元同期を紹介してあげる」と親切に連絡先をくれた。会ったことはないけれど私にとってもその人は元同僚にあたるわけだ。さっそくメールをしてみる。
Mさんは、フライト生活を辞めてBuenos Airesでタンゴの修行をしているという面白い経歴の持ち主。何度かのメールのやりとりののち、私のオフの日に宿泊ホテルで待ち合わせできることになった。
当日現れた彼女は、背が高くてカールした赤い髪が印象的な美人。なによりもバレエからタンゴに移行したというダンサーだけあって、歩き方がとてもきれい。まるで空気の塊が常に彼女の足と地面の間をふわふわと漂い、ほんの少し浮いてるかのように感じる。ただの綺麗な人じゃなく、オーラというか雰囲気のある美人。ホテルを出て一緒に歩くとすぐさまに男の人たちが「Hola, bonita」なんて声をかけてくるんだから。
最初にランチに向かったのは、劇場をそのまま本屋さんとカフェにしたようなところだった。建物に入ると確かに本屋さんなのだけれど、大きな幕も客席への階段もそのまんま。
ステージだった部分がカフェになっているので、そこに座っていると客席を見つめて過ごすような不思議な気分。
Mさんと私はそこで自己紹介も兼ねながら色んなおしゃべりをする。元会社のこと、共通の友人や同僚のこと、今の状況のこと。そこで発見したのはこんな概念。
「何かを'しない'という理由はいくらでも見つけられる。保守的に生きようと思ったらいくらでもできる。でも、それでは納得できない自分がいて、他から見たら愚かなことでも損だと分かっていても実際に経験してみないとだめなんだ。効率悪くものを得るタイプ」
そうなんだ。そこそこに安定を求めるなら、前の会社に留まって飛び続けるという選択もできたはずなのに、それでは満足しない。タンゴのためにわざわざ本場に(しかも地球の裏側に)単身渡るようなMさんだからこその情熱や苦悩もあるんだろう。でも、実際に住んで初めて体験できることも膨大にある。自分の旅人ぶりと照らし合わせて考えながら、なんだかものすごく共感しあえる人に出会ったなあと感動。
2時間かけてゆっくりランチをした後、私たちはレコレータ墓地へ。
ここには何があるかというと、、
そう、かのEVITAのお墓。
アルゼンチンの高級なお墓は、日本の墓地とは様相が全く違ってこんな風におうちみたいなものが並んでいる。灰にせずそのまま亡骸を棺桶に入れて、おうち状のお墓に入るのだ。外装は美しい十字架や聖母マリアや天使たちに護られている。
... まだまだあるので、分けてみようかな...。じゃ、後編へ続く!
そうお知らせした時、前の会社の先輩が「じゃあ、辞めてそっちに行った元同期を紹介してあげる」と親切に連絡先をくれた。会ったことはないけれど私にとってもその人は元同僚にあたるわけだ。さっそくメールをしてみる。
Mさんは、フライト生活を辞めてBuenos Airesでタンゴの修行をしているという面白い経歴の持ち主。何度かのメールのやりとりののち、私のオフの日に宿泊ホテルで待ち合わせできることになった。
当日現れた彼女は、背が高くてカールした赤い髪が印象的な美人。なによりもバレエからタンゴに移行したというダンサーだけあって、歩き方がとてもきれい。まるで空気の塊が常に彼女の足と地面の間をふわふわと漂い、ほんの少し浮いてるかのように感じる。ただの綺麗な人じゃなく、オーラというか雰囲気のある美人。ホテルを出て一緒に歩くとすぐさまに男の人たちが「Hola, bonita」なんて声をかけてくるんだから。
最初にランチに向かったのは、劇場をそのまま本屋さんとカフェにしたようなところだった。建物に入ると確かに本屋さんなのだけれど、大きな幕も客席への階段もそのまんま。
ステージだった部分がカフェになっているので、そこに座っていると客席を見つめて過ごすような不思議な気分。
Mさんと私はそこで自己紹介も兼ねながら色んなおしゃべりをする。元会社のこと、共通の友人や同僚のこと、今の状況のこと。そこで発見したのはこんな概念。
「何かを'しない'という理由はいくらでも見つけられる。保守的に生きようと思ったらいくらでもできる。でも、それでは納得できない自分がいて、他から見たら愚かなことでも損だと分かっていても実際に経験してみないとだめなんだ。効率悪くものを得るタイプ」
そうなんだ。そこそこに安定を求めるなら、前の会社に留まって飛び続けるという選択もできたはずなのに、それでは満足しない。タンゴのためにわざわざ本場に(しかも地球の裏側に)単身渡るようなMさんだからこその情熱や苦悩もあるんだろう。でも、実際に住んで初めて体験できることも膨大にある。自分の旅人ぶりと照らし合わせて考えながら、なんだかものすごく共感しあえる人に出会ったなあと感動。
2時間かけてゆっくりランチをした後、私たちはレコレータ墓地へ。
ここには何があるかというと、、
そう、かのEVITAのお墓。
アルゼンチンの高級なお墓は、日本の墓地とは様相が全く違ってこんな風におうちみたいなものが並んでいる。灰にせずそのまま亡骸を棺桶に入れて、おうち状のお墓に入るのだ。外装は美しい十字架や聖母マリアや天使たちに護られている。
... まだまだあるので、分けてみようかな...。じゃ、後編へ続く!
by maikojazz
| 2008-10-14 07:34
| 旅先; 中南米